No.3 理事長だより

2010年12月08日 (水)

あいさつしよう!

先月、新幹線で旅行した際、浜松駅で60 歳ぐらいの上品な白人3人が乗ってきて私の近くに腰掛けました。その中の一人、斜め前に座った紳士がふと私の方を振り返り目が合った途端に、にこっと笑顔を見せました。私も直ぐ笑顔を返したのですが、タイミングがちょっと遅かったようです。何しろ全く知らない人からの笑顔でしたからちょっと戸惑いました。

欧米人はエレベーターなどでも目が合うと笑顔を見せます、こんにちは!という代わりでしょうか、それだけで和やかな気分になりますね。50年前ですが、ブラジルに赴任して間もない頃でした。或る日、バス乗り場に並んでバスを待っていると、隣にいた年輩のブラジル人が人懐っこく話しかけてきました。

そこへ日本人らしい男性が一人来て列に加わりましたが、サンパウロでは日本人は珍しくもなかったし、面識もない人でしたから別に挨拶もしませんでした。すると、隣のブラジル人が「お、あんたのイルモン(同胞)がきたよ、挨拶しないのか、話さないのか」と催促するように言うのです。おせっかいな人だなあと思いましたが、そういうのならと、その日本人に向かって「こんちは!」と笑顔で頭を下げました。それを見たブラジル人は何か安心したように、にこっとうなずいたのでした。

この出来事から彼らと自分の違いを学習しました。いや、一人のブラジル人を通して神様が教えて下さったのかも知れません。挨拶する、話しかける、声をかけるということが、人間関係を暖かくすることを痛感した私は、言葉もおぼえる必要があるが、こういう習慣を是非身につけようと決意しました。

自他を祝福!

私たち夫婦は毎朝、奥津城と正殿におまいりしていますが、よく学園生に出会います。努めてこちらから大きな声で『お早うございま~す』と声をかけますが、中には、黙ってじろっと見て通りすぎる生徒もいます。何か心配ごとでもあるのでしょうか。然し、笑顔ぐらいは惜しまずにプレゼントしたいものですね。

「自他を祝福せよ」と教えられていますが、他を喜ばすと、実は自分も楽しくなるのが人間です。大きな盥に水を入れ、その水を向こうへ押すと水はこちらへ返ってきますね。これと同じ理屈で、相手に笑顔をプレゼントするとその喜びは自分に返ってきます。元気のいい声で挨拶すると、その声は自分の耳に返ってきて自分が元気になるのです。では、そういうときに必要なものは何でしょう。
「理事長便り」のNo.1 に書いた「一歩踏み出すちょっとした勇気」でしょうか。世界平和は、君の、あなたの笑顔からきっとやってくるでしよう。 さあ、笑顔いっぱいの学園にしようではありませんか。